人材育成IT化計画
株式会社レビックグローバル
代表取締役社長 川口泰司
教育に供する教材のタイプとして、非常に強力なのが「映像」である。人材育成の分野においても、30年ほど前から映像教材が用いられるようになっており、その歴史は意外に古い。
これまで映像教材は、例えば「模倣をする」ことで学習していくマナー教育や技能教育において、最大限の効果を発揮してきた。また、集合教育での手法としてよく取り入れられる「ケーススタディ」においても、文章の記述による課題設定よりも、映像を使ったケースドラマのほうが、受講者の認識や理解が均質化しやすいなどの効果が高い。
さらには、日常的に会うことが難しい経営幹部やハイパフォーマー、場合によっては著名人のメッセージなどを、映像コンテンツ化することで、大勢の人間にリアリティを持って短期間のうちに伝達・共有することもできる。
このように映像を使った教材やコンテンツには大きなメリットがあるのだが、反面、視聴するためにはそれなりの専用設備(例えば映写機、VHSやDVDデッキ、プロジェクタなど)が必要であるため、本格的に利用するには若干敷居の高い面もあり、必ずしも人材育成の場において積極的に活用されてきたとは言い難い。
こうした状況に大きな変化をもたらしたのがブロードバンドの普及である。ブロードバンドによる映像配信(ビデオオンデマンド=VOD)は、映像コンテンツへの敷居の高さを一気にクリアしたといってよく、インターネットの世界でもYouTubeなどの動画投稿サイトが活況になるなど、大きな変化が起こりつつある。そしていまや大企業を中心に、映像を教育や学習に取り入れる動きが活発化してきており、その勢いはどんどん加速している状況にある。加えて、若手社員が活字世代でなく、文字通り映像世代であることが、この動きに拍車をかけている。
当社の事例で誠に恐縮であるが、内定者教育における映像教材へのアクセス頻度は、2006年と2007年の比較では実に10倍にも達している。また、内定者同士のコミュニケーションにおいても、映像コンテンツの中身が話題になり、内定辞退防止に一役買っている。具体的に言うと、映像教材を観た内定者同士が、まさに「ねえねえ、昨日のテレビ観た?」と同じノリによって、内定者同士のコミュニケーションを活発化させ、集団への帰属意識が高まる効果を生んでいる。これは裏を返せば、若手の教育においては、映像教材こそが興味を持って取り組まれる可能性が高いことを示唆していると言えるのである。
ITの進歩により、ブロードバンドを活用したビデオオンデマンドや映像がふんだんに盛り込まれたeラーニングが、これから本格的に普及すると期待される所以である。
VHS・DVD・インターネット配信のビジネスビデオ教材

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川口泰司 |株式会社レビックグローバル 代表取締役社長
大手化学会社、コンパック、アップルコンピュータを経て、1997年フロムビッツを設立。インターネットマーケティングに関するコンサルティングを中心に活動。1999年に1999Webデザインアワード(Webデザインコンソーシアム主催)にて、審査員特別賞受賞。2001年デイツーイーツー株式会社代表取締役社長、2003年株式会社レビック代表取締役社長を歴任し、2005年株式会社レビックグローバル代表取締役社長に就任。「人づくり」に貢献する教材コンテンツとプラットホームの開発に情熱を燃やしている。




