CASE 01新人向けの教育事例
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花王が取り組む若手の育成
花王株式会社 若手の育成担当 杉森義一様、駒沢紀明様
2007.07.24 Update
特に企業の未来を担う若手の育成と定着について危惧している企業が多い昨今、花王では彼らの育成についてどのように考え、具体的に何を行っているのでしょうか。お話を伺いました。
「協働」と「自律」を身につけ、3年間で "一人前" に
Q.若手への教育のお取り組みついて具体的に教えて下さい。
花王ではいわゆる“一人前”の人材とは「周りと協働ができ、かつ自律している人材」だと考えています。また「若手」という位置づけを入社3年目までと捉え、その期間の中で“一人前”に成長できるよう、大きく分けて三つの段階の教育プログラムを整えて用意しています。それが、1)導入研修、2)フォローアップ研修、3)ステップアップ研修です。
1)導入研修
最初が、入社時に行う導入研修です。これは職場や仕事を理解・適応してもらうためにインプット型の講話や講義が中心ですが、その他にPDCAや報連相などの仕事のすすめ方、社会人としてのあり方などの教育を通じて、周りと一緒に仕事を進める大切さや難しさを感じてもらい、実践していくためのベースをここで築いてもらいます。
2)フォローアップ研修
次に、入社半年後に行うフォローアップ研修です。ここでのテーマの中心が「協働」になります。どうしても自分の仕事にばかり没頭しがちな新人に対し、視点を上げ全体の中での自分の位置や意味を把握してもらい、そこからさらに、仕事の幅や深みを出すための手段を学んでもらうことが目的です。具体的には、バリューチェーンの考え方を基にしたワークを行い、会社全体の仕事の相関図を実際に描くことで、自分の位置とそれに関わる部署や人々を再確認してもらいます。さらに、周りの人とスムーズに仕事を進めていくために、ロジカルコミュニケーションやアサーションなどのコミュニケーション研修を行います。そして仕上げの段階として、チームで課題に取り組んでもらうアクションラーニングを行います。ここでの課題とは難しいものではなく、紙飛行機を作ったり、車椅子を作ったりというお遊び的なものですが、この中で自分はPDCAが出来ていたのか、報連相はどうだったか、行動が花王の基本理念に沿っていたかなど、チームの中での自分の行動特性を振り返り、より高い成果を出すための仕事のあり方について身をもって感じてもらいます。 また、「協働」とは直接は関係ないのですが、半年働いてみるといくらか会社の数字についても意識が沸いてくる頃なので、会計、特に経営指標として取り入れているEVAについての教育もこの段階で行っています。ただし、いきなり集合でEVAを教えても理解は厳しいので、レビックグローバルに作ってもらったオリジナルのCD-ROM教材を事前に配り、基礎知識を学んでもらった状態で集合研修に挑んでもらっています。この教材はその年の実際の経営数字を使っているので、具体的で受講者にとってもわかりやすいようです。
3)ステップアップ研修
そして、“若手”最後の研修として、三年目の夏にステップアップ研修を行います。ここで中心になるテーマが「自律」で、自ら主体的に仕事をまわせるようになることが最終的な目的です。まず、マインド面の強化として、「花王ウェイ(=花王の基本理念)」を理解し実践に移すために、現状の整理とこれからの課題についてメンバー間で徹底的に議論をします。このことで自分の仕事の目指すべき指針を意識するようになります。さらに、自ら主体的に仕事へ取り組めるようになるための、「プランニング研修」と「ロジカルシンキング研修」を行っています。この二つの研修を通して、仕事のマネジメントを含めた進め方と、論理的な課題解決の手段を身に付けます。さらに、ここで身に付けたスキルを職場で安定的に発揮するために「ストレスコントロール研修」を、仕事への動機付けのために「キャリアプラン研修」をそれぞれ行っています。 以上の3年間のプログラムにより、「協働」と「自律」をしっかり身に付けた彼らを、私たちはようやく“一人前”として認めています。この頃になると、働き方も顔つきもがらっと変わって頼もしくなります。
Q.これからの若手の育成で大切になるテーマは何でしょうか?
ずばり英語ですね。いまは英語ができる人に限って、仕事は出来ないなんて言われたりしますけど、これからは英語力がないと仕事にならないですよね。英語できない人は「努力していない人」と見られてしまう時代がもう来るかもしれません。だから、社内でもあと5年たったら「Hello!」なんていう電話が当たり前のようにかかって来るんだから、今からしっかり勉強しておかなきゃ駄目だと言っています。また、特にこれから入ってくる新人に対しても、大学までしっかり習った英語力を入社してから落とさせないための学習の支援や仕組みづくりも本格的に必要になってくると感じています。

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