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企業事例 - Case Study

CASE 04現場の社員教育

住宅メーカー

社員の“自立”を支援する人財育成

住友林業株式会社 人事部 チームマネージャー 岩木 徹 様

2007.11.13 Update

どんな経営環境にも柔軟に対応できる「自立型人材」の育成に多くの企業が取り組んでいます。そのような状況の中、人財育成部門の基本方針を「人財の“自立”を促し“支援”を行う」と掲げる住友林業株式会社。社員の自主性を尊重し、促すための取り組みの一つとして、これまで行っていた階層別の定期研修プログラムに加え、自主参加型の研修プログラムの充実を図っています。 この取り組みを中心にして住友林業の人財育成について、人事部の岩木徹チームマネージャーにお話を伺いました。

Q1.自主参加型研修(住友林業ビジネスカレッジ)について教えてください。

社員自らが主体的に受講する研修

これまで、研修といえば若手社員や中間管理職などを対象にした、いわゆる階層別の定期研修を中心に行ってきました。しかし、2年、3年と各々が会社の中でキャリアを積むと、知識やスキル、そして仕事に対するマインドについてもかなりの差が出てくるのが事実です。そんな彼らに対する研修がいつまでも一律に同じものである必要はないという考えがこの制度を立ち上げた背景にあります。

住友林業ビジネスカレッジでは、全職種向け、住宅営業職向け、建築技術職向けと対象を分け、それぞれに必要とされる教育テーマを細かく洗い出し、集合研修を行います。全てが、原則、日帰りのショートプログラムであり、ピンポイントに絞ったテーマを短時間で確実に身に付けて帰ってもらうようにしています。例えば、「ビジネスマナー実践セミナー」「グローバル人財研修」「展示場接客セミナー」「営業プラン基礎研修」「かんたんパース研修」など、テーマと対象が多岐に渡るプログラムを数多く用意しています。

そして、この住友林業ビジネスカレッジの大きなポイントとなるのが、すべての研修が手挙げ式で自由に参加できるということです。各人が目的意識を持ち、自身の成長のためにいま補完すべき知識やスキルを主体的に受講する、まさに彼らの“自立を支援する”教育制度になっています。

変わり始めた現場の意識

この住友林業ビジネスカレッジを立ち上げてから3年目を迎えています。最初はなかなか社内への認知が難しかったのですが、試行錯誤をするうちにようやく良い意味で安定してきたように感じています。自主的に参加する社員も非常に増えてきており、昨年度は一年間でのべ3,000人以上が参加しました。

現場へのヒアリング調査によるプログラムの見直しや、毎月のマネージャー会議での告知、また現場間での口コミなどが功を奏した結果ですが、最も大きいのは現場の意識が変わってきたことだと思います。集合研修というと業務時間を費やすことになるので、否定的な印象を持つ人も少なくはありませんでした。しかし、“自立”を謳ったこの教育制度を続けることで、自主的に自分の力を伸ばそうとする個人の意識、そしてメンバーを積極的に研修に送り出し育てようとする現場の意識がそれぞれ芽生え始めているように感じています。


Q2.例えば営業の育成においては、この教育制度がどのように役立っていますか?

経験をもとに身につけていく対人スキル

もともと営業として入社する新卒に対しては、入社後1年間の育成プログラムを用意しています。まず、4月の入社時導入研修。約3週間あるこの研修のうち後半から各専門職に分かれて職種別の研修を行います。この時、営業職に対しては「木と人と家を知る」というテーマで木の効用、住友林業の家の特徴、そして住宅営業の流れなどを教えています。

営業と言ってもまだ何の経験も無い彼らには、具体的な対人スキルは教えていません。実際の現場での経験を踏まえた上でないと実感知として腹に落ちませんから。そういう理由で、営業に必要な接客スキルといったものは、7月、9月、翌3月と行われるフォローアップ研修の中で、自分の経験と照らしながら徐々に考え、身につけさせるようなプログラムにしています。

OJTのバックアップとしての自主参加型研修

営業として成長するためには、現場での経験を積み、そこから得た気付きや反省をいかに自分の力に変えていけるかが一つの鍵になります。覚えることは集合2割、OJT8割とも言うくらい、特に経験の少ない若手にとっては、現場での教育(=OJT)が大切なのです。

しかし、すべての現場でこういったOJTがうまく機能しているとは言えないのが実情です。だからこそ、人事部としてはOJTをバックアップするというスタンスで常に人財育成に関わる企画に取り組み、現場との二人三脚で人財を育てることが必要だと感じています。例えば、その具体的な取り組みとしては、現場の育成責任者である店長と育成の状況について情報交換するシートの用意や、現場での教育をスムーズに実行するためのツールであるビデオライブラリーの提供などが挙げられます。そして、このOJTバックアップの一つとして現場での育成に役立っているのが住友林業ビジネスカレッジなのです。


Q3.今後、この教育制度が担う役割はどのように変化すると思いますか?

木の葉を増やすのではなく、幹を太くする教育へ

仕事で高いパフォーマンスを上げるためには、主体的に物事に取り組む姿勢を持っているかどうか、自責の気持ちを持って物事を動かしているという感覚を持っているかどうかなど姿勢やマインドの部分が非常に重要だと考えています。しかし、どうしても研修となるとスキルや知識にばかりスポットを当てて、こういった抽象的なテーマからは離れている傾向にありました。木で例えるなら、葉を増やすばかりの研修を行ってきたわけです。

しかし、現場から離れたこの「集合研修」の特徴を活かせば、落ち着いて自分自身を振り返らせ、気付きを与えることができるはずです。難しいけれども、こうした気付きを与える仕掛け作りがもっと必要になると考えています。葉にきっちり栄養を送るため、そして木が丈夫で倒れないようにするため、幹を太くする教育に取り組んでいきたいですね。

会社プロフィール

住友林業株式会社

山林経営・木材建材流通・木造注文住宅・リフォーム・外構造園・不動産流通・海外事業など、総合住生活関連事業をグローバルに展開

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