CASE 06営業教育
住宅機器メーカー
OJTの土壌を作るための取り組み
クリナップ株式会社 営業本部 営業推進部 営業教育課 係長 遠藤 一之様
2008.02.25 Update
Q1.現場でOJTが必要だと感じた背景をお聞かせください。
営業現場のOJTが上手く機能していないことが課題だった
これまで営業というと徒弟制のところがあり、営業活動の基本的な進め方やテクニックというのは、後輩が先輩の背中を見て盗んで身に付けることが普通でした。また、上司や先輩も後輩をつかまえては、手取り足取り教えていました。つまり、営業育成においてOJTがとても上手く機能していたんですね。しかし、バブルがはじけて以降、採用を減らし新人が配属されない現場が増えたこと、キャリア採用を積極的に行ったこと、プレイングマネジャーが増えたことなどが原因となって、だんだんと現場で人を育てるノウハウと習慣が低下しつつありました。
現在のクリナップの営業も最初は先輩に付いて行って色々なことを学びますが、1年くらい経ち、自分の担当顧客を持つようになると、現場では一人前の自立した営業として扱われるようになります。このことで彼らは、よく言えば“対等”、悪く言うと“放置”の状態になり、上司や先輩から指導を受ける機会が減ります。また一方では、昔みたいに先輩のやり方をガツガツ盗むという積極的な若手も減ってきたように感じます。言われたことだけを卒なくこなす傾向がありますね。このような現場の状況と最近の若手の傾向を踏まえて、OJTを上手く機能させる「仕掛け作り」が営業育成の課題でした。
営業の“実践力”を身に付けるためにはOJTが必要
営業って人と人との関係を築くためのラリーですよね。相手の思いや立場を汲み取った上で、適切な考えや判断を伝え、その反応を見てまた自分の考えを伝える、これを繰り返すことで信頼関係を築きます。営業のセオリーや理論は本を読めば頭でわかります。ただ、これでは人と人の間で行われるラリーは上手くならない。営業の実践力とはヒューマンスキルを身に付けることで伸びるものです。だからこそ、現場で先輩も含めた人と人とのやり取りの中で、こうしたヒューマンスキルのブラッシュアップをする必要があるんです。つまり、営業として実践力を身に付けるためにOJTは欠かせないと思います。
Q2.現場教育で取り組んでいる内容を教えてください。
現場が求めているのは教育をはじめる“きっかけ”
先ほども述べたように、現場には人を育成する習慣があまり残っていません。だから、具体的にどのようなテーマを、どのような方法で教育すればよいのかまで考え、しっかり実施できている営業所は多くはないと思います。しかし、所長のほとんどがメンバーの育成を課題だと感じていることも事実です。そこで、教育の企画部門として行うべきことは、現場が育成に取り組むための“きっかけ”を作ることだと思っています。
各営業所で現場の係長が実施する勉強会「寺子屋タイム」
現場が育成に取り組むための“きっかけ”の一つとして昨年から試験的に始めたのが、各営業所で実施する営業勉強会「寺子屋タイム」です。月に二回、営業が集まる会議の場を利用し、30分ほどの短い時間で行っています。テーマは、訪問計画の作り方や、顧客ニーズの聞き出し方、適切な説明の仕方など営業として必要な基本が中心です。そして、勉強会の中ではこれらのテーマについて、各メンバーが持っている知恵や経験を発表し、共有するようにしています。
しかし、ただテーマを与えただけではメンバーから声を引き出すのは難しいものです。そこで、工夫をしていることが2つあります。まず、勉強会は営業所の係長クラスが主導で行うこと。所長クラスやわれわれ教育企画部門が勉強会をリードすると、メンバーは聞き手に回ってしまい、なかなか本音で話すことができなくなります。そして、汎用的な内容の営業ビデオ教材をはじめに視聴すること。一般的なやり方との違いの中から自分らしいやり方が見え、自身を振り返るための触媒の働きをしてくれます。
自分の知恵や経験を伝える。これを現場で自然と行えるようになればOJTか機能し始めると思います。今後、このように現場が育成に取り組むための“きっかけ”をつくり続けることによって、メンバー間のコミュニケーションが増え、OJTの土壌が少しずつ現場に生まれてくれれば嬉しいです。また、いまは東京だけで試験的に行っていますが、これが上手くいけば全国の営業所でぜひ展開していきたいですね。

-
クリナップ株式会社
システムキッチン、システムバスルーム、洗面化粧台を製造販売する総合住宅機器メーカー
集合研修や勉強会でご利用いただけるビジネスビデオ・テキスト販売サービス




